アスペルガー症候群 治療 薬

スポンサード リンク



 

アスペルガー症候群の治療と療育

 

アスペルガー症候群 治療

アスペルガー症候群は、完全に治療できるモノではありません。だからといって放っておいて良いモノでもありません。放っておくと、子供が"生きづらさ"を感じたままとなります。そのため、子供に様々な経験を積ませることで出来ることを増やしていき、学校や社会に出たとき集団の中で上手く生きていける技術を身に付けさせてあげる必要があります。それを「療育」と言います。

 

アスペルガー症候群の子供は、集団生活の中で自然に身に付けていくこと(礼儀・空気を読むなど)を理解する能力に乏しいという特徴があります。そのため、それらを理解できずに大人になると、社会生活で非常に生きづらくなります。しかし、療育を行うことによって、集団生活の中での適応能力が広がり"生きづらさ"を軽減させることができます。

 

アスペルガー症候群は知的能力が低い訳ではないため、療育による教えを理解することが出来ます。従いまして、無理なことを子供に押しつけるのではなく、理屈を説明することによって、その場面で取るべき行動などを教えてあげる教育方法となります。

 

療育を行うには…

 

療育は専門の施設で受けることが出来ます。例えば、地域の療育センター・地域の福祉センター・子供専門病院・発達障害センター・療育専門の民間施設・個人で開業している発達専門クリニックなどです。あと、作業療法士などの専門家が、自宅訪問して療育を行うサービスなどもあります。ただ、地域によって違いがあるため、詳細は地域の保健センターなどに相談するようにして下さい。

スポンサード リンク


療育の内容

 

アスペルガー症候群 療育

アスペルガー症候群の子供たちは、それぞれ不得意とするモノや程度などに大きな差があります。そのため、作業療法士・臨床心理士・言語聴覚士などが関わり、その子供にあった対応方法を練り親にアドバイスすることになります。例えば、運動能力に不器用さが見られる場合、感覚統合療法と呼ばれる方法に基づいて指導することがあります。これは、脳からの指令が上手く伝わらないという考えに基づいており、その指令のバランスを良くするという方法です。

 

ちなみに、"自閉症スペクトラム"の子供たちを支援するプログラムで「TEACCH」と呼ばれる方法があります。例えば、言葉で伝えてもそれを理解することが苦手な子供には、TEACCHの考え方に基づいて視覚的なアプローチを用いて子供が理解しやすくなるように工夫します。そのような子供には、走っている絵に「×」を付け、歩いている絵に「○」を付けておき、走ってはいけない所で子供が走った場合、「×」マークの走っている絵を見せて、走ってはいけない場所であることを理解させます。これであれば、言語での理解が乏しい子供でも「×」マークの絵を見せたあと、「○」マークの歩いている絵を見せれば、何をしなければいけないのか理解しやすくなります。ただ、これは言葉での理解力が乏しい自閉症の子供に対する方法です。そのため、言葉をしっかり理解できるアスペルガー症候群の子供には必要ありません。

 

なお、アスペルガー症候群の子供に対する療育は様々なモノがあります。療育は、どれかひとつだけを取り入れ、それに専念しなければならないという訳ではなく、いくつかの方法を取り入れて構いません。

インリアルアプローチ

これは、会話や遊びを通じて子供と大人が相互に反応し、子供のコミュニケーション力を伸ばしていく方法です。この方法は、パラレルトーク(大人が子供の行動や気持ちを言語化する)やセルフトーク(大人の行動や気持ちを言語化する)などの言語心理学的技法を用います。その際、大人は子供の行動をよく観察し、静かに見守りながら子供の言葉に耳を傾け、子供を理解する必要があります。

感覚統合アプローチ

その場に合った適切な行動が出来るように、子供の成長過程で脳は作られていきます。しかし、その情報処理機能に偏りが歪みがある場合は、簡単な運動などを用いて、感覚入力を調整したり、運動機能・姿勢反応を正していきます。それが感覚統合アプローチです。

スポンサード リンク


アスペルガー症候群の薬による治療

 

アスペルガー症候群 薬

アスペルガー症候群を治すための"薬"は存在しません。しかし、不安やパニックなどのアスペルガー症候群による二次症状がヒドい場合は、薬で一時的に症状を和らげることは出来ます。下記の薬以外に、うつ病の治療薬が用いられる場合もあります。

 

なお、日本で使用できる中枢神経刺激薬にコンサータ(商品名)があります。この薬は、6〜18歳までの注意欠陥多動性障害が併発していると診断された子供に使用される薬で、1回の使用で効果が12時間持続するようになっています。ただ、どんな薬にも副作用のリスクがあるため、使用方法と共に副作用についても医師の説明をしっかり聞いて下さい

睡眠導入薬

眠れないときに飲む薬。

抗てんかん薬

てんかん発作を抑える薬。

非定型抗精神病薬

感覚過敏・パニック発作が起きた場合に心を安定させる薬。

中枢神経刺激薬

多動でADHD(注意欠陥多動性障害)の症状がみられる場合の薬。

上記のような薬は、常時使うのではなく、環境が大きく変わりパニックを起こす可能性がある場合や、イベント(入学式や卒業式など)の前に、念のために飲んでおくモノであると認識しておいて下さい。頻繁に薬に頼るようになると、薬を飲ませておかなければ不安になり、子供を不必要に薬漬けにしてしまう可能性があるため注意して下さい。

スポンサード リンク







 

アスペルガー症候群の対応方法

アスペルガー症候群

アスペルガー症候群は、一朝一夕で簡単に改善できるモノではありませんが、まわりの人達の支援によって良い方向へ導くことができます。根気も忍耐も必要にはなりますが、ゆっくりで構わないので一歩ずつ一緒に歩んであげて下さい。

アスペルガー症候群の治療で、特効薬はあるのか?関連ページ

アスペルガー症候群じゃないかと思ったときの対処法
子供の行動や言動で気になることがある場合、親としてまず何をしなければいけないのか?その辺りのことを解説しています。
アスペルガー症候群の子供が出すサインとは?
我が子がアスペルガー症候群ではないかと思う前に、すでに子供はサイン(症状)を出しているモノです。そのサインについて解説しています。
アスペルガー症候群の診断は、これを参考に!
アスペルガー症候群であることを早めに知れば、それだけ早く子供に適した教育を開始することができます。そのため、アスペルガー症候群の診断基準について解説しています。
アスペルガー症候群の子供の特徴は、意外に多い!例えば…
アスペルガー症候群の子供に見られる特徴と一般的な見解を説明しています。
アスペルガー症候群の子供の知的能力の凄さとダメな所とは?
アスペルガー症候群の子供の知的能力に関するお話です。例えば、大人が凄いと思うのは…
発達障害者支援法の目的と問題点とは?
発達障害者支援法は、自閉症やアスペルガー症候などを支援することが目的ではありますが、いくつかの問題点があることも否めません。例えば…
アスペルガー症候群の子供を持つ親のサポートとは?
アスペルガー症候群の子供を持つ親のサポートについて注意点などを解説しています。例えば…
アスペルガーの姿勢のくずれを治す必要性と方法は?
アスペルガー症候群の特性のひとつに"姿勢のくずれ"があります。その原因と改善方法をご紹介しています。
アスペルガーの子供が他人と関わる時の特徴を親は知っておくべき
アスペルガー症候群の子供が、周囲の人と上手く関わっていくためのヒントをご紹介しています。
アスペルガーもコミュニケーション力は上達する!その方法とは?
アスペルガー症候群の子供の"生きづらさ"を、少しでも減らしていけるような療育をご紹介しています。